2021.01.05
Ox (Japanese zodiac) 2
(1月6日のブログの続きです。)
「べこの乳」を作っているのは、会津の乳業会社の一つ「会津中央乳業」です。会津では勿論ですが、「べこの乳」という名前で出している牛乳は会津以外のスーパー等でも売られている事から、県内での知名度が高いブランドの一つです。
「べこの乳」を作っているのは、会津の乳業会社の一つ「会津中央乳業」です。会津では勿論ですが、「べこの乳」という名前で出している牛乳は会津以外のスーパー等でも売られている事から、県内での知名度が高いブランドの一つです。
「べこの乳」を作る会津中央乳業。奥が工場、右手が直売所。 |
私も好きな牛乳の一つで、「べこの乳」(正式名称は「会津のべこの乳」)はコクがあって、牛乳本来の甘みがしっかり感じられ、私にとってべこの乳は「牧場で頂く牛乳を家庭で手軽に味わえる」イメージです。紙パックで手に入る牛乳としては、かなりレベルが高いと個人的には思っています。
こちらが「べこの乳」。味が濃い。 |
その「べこの乳」の美味しさは、作り方にあります。牛乳は市販する前に、殺菌する必要があります。
「多くの牛乳は130度で2秒殺菌します。大量に生産するのに向いています。一方低温殺菌は63度で30分。」
そう話すのは、会津中央乳業の営業部リーダー二瓶さんです。
「多くの牛乳は130度で2秒殺菌します。大量に生産するのに向いています。一方低温殺菌は63度で30分。」
そう話すのは、会津中央乳業の営業部リーダー二瓶さんです。
牛乳・乳製品を作る工場。事前に申し込めば見学も可能。 |
「酪農家の皆さんは自分達で牛乳を飲む際に、搾りたてを鍋でことこと煮るのですが、それに近いのがうちの作り方『中温殺菌』で、85度で15分。酪農家の方にも『うちで飲む味だ』と言われます。」
また二瓶さんはステーキに例え、べこの乳は「ミディアムレア」だとも言います。
また二瓶さんはステーキに例え、べこの乳は「ミディアムレア」だとも言います。
「べこの乳」を、まだ「坂下ミルクプラント」という会社だった頃のコップに入れて頂いた。 |
こちらの会社では、まず運ばれてきた会津産の生乳の検査から始まります。
「菌の数がうちの基準を下回っているか等を調べます。会津産の生乳は、運ぶ距離が短い分元々菌が少ないんです。更には幾つかの検査ポイントがあって、それを全てクリアして初めて工場に生乳を移します。」
「菌の数がうちの基準を下回っているか等を調べます。会津産の生乳は、運ぶ距離が短い分元々菌が少ないんです。更には幾つかの検査ポイントがあって、それを全てクリアして初めて工場に生乳を移します。」
生乳の検査。条件をクリアしないと、工場には搬入出来ない。 |
もし基準を満たさない生乳が来た場合は、その時点で買い入れを断る事になります。
「生乳や牛乳は空気に触れると菌が増えやすいので、移しているところが見えないんですよ。絵になり辛いでしょ?」
と二瓶さんは仰います。
またこうやって搬入される生乳は、ほかから搬入されたものと一緒にしない事で、細かいトレーサビリティ(生乳の産地を追跡できる事)も可能にしているそうです。
「生乳や牛乳は空気に触れると菌が増えやすいので、移しているところが見えないんですよ。絵になり辛いでしょ?」
と二瓶さんは仰います。
またこうやって搬入される生乳は、ほかから搬入されたものと一緒にしない事で、細かいトレーサビリティ(生乳の産地を追跡できる事)も可能にしているそうです。
検査をクリアした生乳は、工場へ移される。 |
朝から学校給食用の牛乳から、ブランドの「べこの乳」、更にはヨーグルトなどの加工品も作っています。
「子ども達の見学もやっているんですが、今年度は新型コロナウイルスの影響もあって、例年より見学者の数が半分近くだったのと、やっても短時間に、窓を開け放しての見学でしたね。」
「子ども達の見学もやっているんですが、今年度は新型コロナウイルスの影響もあって、例年より見学者の数が半分近くだったのと、やっても短時間に、窓を開け放しての見学でしたね。」
生乳を残さぬよう、タンクローリーは後方部分が下がった傾斜に乗り入れている。 |
そうして作られる牛乳や乳製品は、「べこの乳」のほかに、「もうひとしぼり」(正式名称は「会津のべこの特濃 もうひとしぼり」)もその一つ。これが濃い!「べこの乳」以上にコクや甘みがしっかりしていて、味に深みがあります。「べこの乳」の良いところを増し増しにした感じです。それもそのはず、
「圧力をかけて水分を抜いているんです。」
「圧力をかけて水分を抜いているんです。」
「もうひとしぼり」は、べこの乳の水分を減らして作られる。 |
そしてこちらは、放送でカットされてしまった商品。熱を加えず「べこの乳」の水分を絞って作ったヨーグルトが「会津の雪」。瓶詰のヨーグルトは、私にとって「懐かしい」ものです。昔はヨーグルトや牛乳というと、こういう瓶詰が結構多かったのです。
「べこの乳」から作るヨーグルト、「会津の雪」。 |
そしてこの紙の蓋をとるのに「栓抜き」が必要なのです!うわぁ、懐かしい♪
「若い人はこの『栓抜き』の使い方が分からないんですよ。針の先を蓋の縁に沿って刺してみたりして…。これ、真ん中に刺しても、抜きづらいんですよね。」
と二瓶さん。私も思わず、
「昔瓶牛乳の蓋に『公正』マークがあって、そこにいつも刺していました。」
「ああ、栓抜きを刺す目印だと思っていたんですね。」
と紙蓋を栓抜きで外した経験のある2人で話が盛り上がります(牛乳のパック詰めが誕生するまでは、瓶牛乳が主流で、この栓抜きで蓋を取ったものです)。
「若い人はこの『栓抜き』の使い方が分からないんですよ。針の先を蓋の縁に沿って刺してみたりして…。これ、真ん中に刺しても、抜きづらいんですよね。」
と二瓶さん。私も思わず、
「昔瓶牛乳の蓋に『公正』マークがあって、そこにいつも刺していました。」
「ああ、栓抜きを刺す目印だと思っていたんですね。」
と紙蓋を栓抜きで外した経験のある2人で話が盛り上がります(牛乳のパック詰めが誕生するまでは、瓶牛乳が主流で、この栓抜きで蓋を取ったものです)。
瓶詰め乳製品の蓋を取るには、「栓抜き」が不可欠。ぷすっといきましょう! |
さて味は…おおお、濃厚な味わい。でも酸味があるのですっきりさらっとしています。とてもクリーミーなヨーグルトです。
「クリームチーズっぽいと仰るお客さんもいますね。」
なるほど、それは言い得て妙。
「クリームチーズっぽいと仰るお客さんもいますね。」
なるほど、それは言い得て妙。
こうやって蓋を取る(外のビニールの覆いごと刺して取っても可)。 |
そして更に進化したのが、飲むヨーグルト「会津の雪 ソフトクリーミイ ヨーグルト」。パッケージには「よく振ってお飲みください」とあります。飲む前に振るヨーグルト?中はどうなっているのか見てみると…
飲むヨーグルト。「よく振ってお飲みください」とある。 |
何と、お豆腐のような四角い形をしたヨーグルトです。
ものは試しでストローで吸ってみますが…結構力が要ります。
「飲むヨーグルトが出始めた時期に、どうやったらうちも飲むヨーグルトが出来るか、と考えて、飲む前に振ってもらったらどうかという話になって、食べるヨーグルトを限界まで柔らかくするという発想からこの形に行きついたのです。」
ものは試しでストローで吸ってみますが…結構力が要ります。
「飲むヨーグルトが出始めた時期に、どうやったらうちも飲むヨーグルトが出来るか、と考えて、飲む前に振ってもらったらどうかという話になって、食べるヨーグルトを限界まで柔らかくするという発想からこの形に行きついたのです。」
紙パックから出すと、実は”固形”だったりする。 |
それで飲む前に振って形を崩す訳ですね。確かに取り出した四角いヨーグルトは、自らの重さでホエーが出始め、形が崩れていきます。
「二の腕が疲れる位まで振ってください。」
と仰るので、カクテルを作る要領で振っていると、中からたっぽんたっぽん、たぷたぷという音が聞こえてきます。液状になったのが音で確認できるのです。
「二の腕が疲れる位まで振ってください。」
と仰るので、カクテルを作る要領で振っていると、中からたっぽんたっぽん、たぷたぷという音が聞こえてきます。液状になったのが音で確認できるのです。
暫くすると、自重で崩れていく。だから振って揺すれば、飲める状態になる。 |
これだけ振れば良いだろうという頃合いで飲んでみると、先程の固形の時とは打って変わって、普通に飲めます。爽やかで軽みのある甘さが程よい味わいでした。
パッケージにしつこく「よく振って」と書いてあるのは、豆腐状のままだと吸うのに力が要るからだ。 |
福島県は酪王乳業の「酪王カフェオレ」が県民ソウルドリンクとも言われていますが、この「べこの乳」関連のラインアップは、会津で知られているのは勿論、県内外でも知る人ぞ知るブランドです。今回改めて、福島県の牛乳の質の高さと美味しさを実感しました。皆さんも会津に出掛けてみたら、手に取ってみては如何でしょう?目印は、ここまでのパッケージにも再三映り込んでいましたが、女の子のマークです。
会津地方ではお馴染み。県内外にも根強いファンがいる。 |
このあとは、やはりこちらも放送から漏れてしまった番外編、会津中央乳業の直売所「アイス牧場」を覗いてみましょう。色々なグッズも販売されていますよ。
(1月4日のブログにつづく)
(1月4日のブログにつづく)
直売所「アイス牧場」が、なかなかに面白いのだ。 |
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