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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
with a camera in Kawamata Town 2-2
(1月14日のブログの続きです。)
 ご主人が見せて下さったのは、昔の写真2葉です。一つは木村呉服店が国旗と日章旗(と万国旗でしょうか)で彩られ、多くの人が自転車や人力車で店先に集まっている写真です。
 
呉服店前は嘗て、こんなに賑わっていた事も…(次の写真をどうぞ)。
呉服店前は嘗て、こんなに賑わっていた事も…(次の写真をどうぞ)。
 かなり自転車が今の形に近く、台数も多い(=或る程度手の届く価格であろう)事や、昭和に入って人力車が徐々に廃れていく事を考えると、明治後半から大正の頃でしょうか?←私の推測です。
 看板も右から「木村呉服店陳列場」とあります。戦前なのは間違いありません。そしてもう一枚は…
 
自転車でお客さんが詰めかけている。人力車の姿も…。
自転車でお客さんが詰めかけている。人力車の姿も…。
こちらも店の前が人で溢れ返っています。「鬼足袋」の幟がたくさん見られます。「鬼足袋」とはネットで調べると戦前コール天(コーデュロイ)生地の足袋をヒットさせた会社だそうです(よく見ると、鬼足袋の一番大きな看板に「コール天」の文字が見えます)。蔵に掲げた「東京大活動写真」の看板は左から書いてありますが、下に置いてある立て看板を見ると右から左に書いてあるのと、写真の「写」の字が旧字体である事、映画という言葉が昭和10年代に定着していった事、鬼足袋は戦後廃れてしまう事、写真右に電柱が見える事(川俣町に電灯が初めて点いたのは1908(明治41)年)を考えると、大正から昭和初期の頃でしょうか。経済潤う川俣町での、鬼足袋一大キャンペーンの一環だったのかも知れません。
 
何だかお祝いムード?映画まで上映しちゃったのだろうか。
何だかお祝いムード?映画まで上映しちゃったのだろうか。
「もしかしたら蔵の2階を使って上映したのかな?」
 だとしたら、余計このごった返す人込みとなったのも分かる気がします。

 
立て看板は右から文字が書いてある。昭和初期より前の写真と見た。
立て看板は右から文字が書いてある。昭和初期より前の写真と見た。
 さて明治初期には、通りの反対側にも蔵を建て、それはそれは立派な蔵座敷が広がります。奥にはスピーカーも見えますが、
「蔵でジャズコンサートをやる事もあるんですよ。」
 さすが古関裕而の親戚のお宅、音楽に繋がりがあるんですね。因みにご主人は音楽をされるのか伺うと、
「私はコントラバスです。」
 …音楽のDNAが受け継がれていました。
 
明治初期に建てた蔵座敷。欄間など見事な匠が見られる。
明治初期に建てた蔵座敷。欄間など見事な匠が見られる。
 因みにご主人はいまも仙台屋木村呉服店第七代店主として、呉服業を営んでいらっしゃいます。
 なお今回は取材と言う事で、特別に中に入れて頂きました。蔵は恒常的な一般公開はしておりません。

 
ご主人は、いまも呉服店「仙台屋」を営む。近くには「若松」「磐城」の地名の付いた屋号の店も。
ご主人は、いまも呉服店「仙台屋」を営む。近くには「若松」「磐城」の地名の付いた屋号の店も。
 古関裕而ゆかりのオルガンを弾けて、すっかり上機嫌の私。ぷらぷら歩みを進めると、愛らしい外観のお店を見つけました。お肉屋さんですが、上に豚さんの照明があります。ネオンでしょうか?そういえば昔はその店の名前や特徴を示す絵柄を、ネオンで表示していた時代がありました。昔ながらの個人商店の良さが残りそうなお店です。
「ごめんください。」
 
おっ!豚さんのネオン?好いですね、こういう店構え。
おっ!豚さんのネオン?好いですね、こういう店構え。
 店に入ると、奥からご主人が顔を出します。
「私で二代目ですが、私だけでもう50年やっていますよ。」
なんてお店の歴史を聞きながら私の目に入って来たのは、
 
気さくに応えてくれるご主人。半世紀、店を支えてきた。
気さくに応えてくれるご主人。半世紀、店を支えてきた。
 お肉屋さんならではの、お惣菜の“素材”のレパートリーを描いた、温かみのある絵。肉のショーケースの上部の壁に、貼ってあります。
 
ショーケースの上方に、”素材”の絵も。ご主人手描きだ。
ショーケースの上方に、”素材”の絵も。ご主人手描きだ。
 ハンバーグが130円ですか。良いですね。一から作るとなると結構手間ですからね。
 ただ絵のレパートリーは、お肉屋さんの売り物だけではありません。周りの壁を見ると、
 
あら~、美味しそう。
あら~、美味しそう。
おっ、黒澤明監督の映画でもお馴染み、三船敏郎に…
 
声も渋くて、格好良かった。
声も渋くて、格好良かった。
銀幕のスター、私の好きな探偵多羅尾伴内も演じた片岡千恵蔵、更に時代は下って…
 
忠臣蔵だろうか。時代劇の名優も…。
忠臣蔵だろうか。時代劇の名優も…。
『太陽にほえろ!』や『大都会』(ま、多くの方は『西部警察』に例えるかも知れませんが、私は断然『西部警察』より前の、カーアクション炸裂の『大都会』大好き派です)といったテレビの刑事もので一世を風靡した石原裕次郎・渡哲也の似顔絵です。
 
この辺りになると、分かる方も多い筈。昭和の刑事ドラマを彩った。
この辺りになると、分かる方も多い筈。昭和の刑事ドラマを彩った。
 やきとりやハンバーグの絵は分かりますが、芸能人の絵を描いたのはどうしてでしょう?
「いやぁ、こういう絵が飾ってあった方が面白いかな、と思って…。たまにお客さんに褒められる事もありますよ。」
 
ご主人、ご自身の絵の中でお気に入りの一枚「大川橋蔵」。銭形平次でお馴染みですね。
ご主人、ご自身の絵の中でお気に入りの一枚「大川橋蔵」。銭形平次でお馴染みですね。
 確かに、ほっこりします。一枚描くのにどれ位時間がかかるのでしょう?
「う~ん、1時間位ですかね。子どもの絵の具が残っていて、勿体ないなというのもあったんですよ。」
 残った絵の具を使ってこういう絵がさらさらって描ける腕が、羨ましいですね。
 
花も描く。羊の絵に「ラムロール220円」はご愛敬だ。
花も描く。羊の絵に「ラムロール220円」はご愛敬だ。
 その絵の具が切れた訳ではないでしょうが、色鉛筆バージョンもありました。
 因みに店の看板がわりの豚の絵柄、あれはネオン看板が流行った時のものですか?
「いえいえ、ここの商店街で夜、その店が分かるような照明をつけようって話になって…5年位前ですよ。」
 あ、そんな最近の事だったんですか…。ただ今は配線を外してしまって、点かないそう。すると店の奥にいた奥様が
 
色鉛筆画のマリリン・モンロー。色っぽい。
色鉛筆画のマリリン・モンロー。色っぽい。
「昔撮った写真がありますよ。」
と見せてくれました。あら可愛い♪遠目でネオンのように見えたのは、一つ一つの電球を繋ぐ配線だったのですね。
 ご主人は絵が好き、では奥様は何かお好きな事は?
「最近、新型コロナウイルスの影響で発表する機会がないんですけど、アンサンブルをやっています。」
 放送では、『モスラ』のテーマ曲を一節披露して頂きました。
 
夜、照明を点けていた頃のお店。温かみのある看板だ。
夜、照明を点けていた頃のお店。温かみのある看板だ。
「発表の時に、家族が誰も来てくれないんですよ。」
と奥様がぼやくと、ご主人がこう反論。
「聞いている方が何だか照れちゃって…。」

 
こちらが本業。
こちらが本業。
 身内の頑張る姿に照れてしまう気持ち、分からなくはありません。普段は見に行かないご家族の皆さんも、今回は放送を通して、奥様の“雄姿”をご覧頂けたのではないでしょうか。

 
お話に歌に、色々リクエストに応えて下さいました。
お話に歌に、色々リクエストに応えて下さいました。
 ところで町で面白い場所や人はご存じないでしょうか?すると奥様が
「書店の奥さんは、明るくて面白いんじゃないですか?」
 実は私、個人的にこの書店の奥様に一度お会いした事があるのです。
(1月12日のブログにつづく)
 
こちらが実物のハンバーグ。じゅーっと焼いてみたい…。
こちらが実物のハンバーグ。じゅーっと焼いてみたい…。
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