今話題の“大辛口”日本酒とは？江戸時代創業の酒蔵が手掛ける日本酒度＋20以上のお酒

Chu! PRESS

#日本酒 (4件)

2023.08.11

福島県郡山市にある「笹の川酒造」。1765年創業の老舗酒蔵。日本酒だけでなくウイスキーの製造にも取り組み、「安積」や「山桜」というブランドは世界的な賞を受賞。そのブランド名は福島県内だけでなく、日本国内から世界へと知れ渡るほどです。

その注目を集める蔵元が手掛ける日本酒の中で、予想外の人気を集めている銘柄があります。それは、福島一辛口「いち」。その名の通り、酒どころ福島県に数ある日本酒の中で最も辛口を謳う日本酒です。

（写真提供：笹の川酒造）

日本酒は、麹による米の糖化と酵母による糖のアルコール発酵によって造られ、糖分を十分に発酵させれば辛口の酒となり、発酵を抑えたり麹による糖化作用を強めたりすれば甘口の酒となります。笹の川酒造の「いち」は、米の糖分を極限まで純粋に発酵させ、通常より大幅に辛口に仕上げた日本酒で、日本酒の辛口の指標となる日本酒度は＋20以上。平均的な辛口の日本酒度は＋10前後といわれる中で、「いち」がいかに大辛口か示されています。

◆日本酒初心者の方におすすめに

人気商品が数多くある笹の川酒造で増産されるほどの「いち」。2020年の販売開始から売り上げを伸ばし続け、2022年の売り上げは2020年比で約1.3倍に。甘口が多いといわれる福島県の日本酒で“大辛口”の「いち」はひときわ存在感を放っています。

「大辛口」と聞くと、強いアルコールの刺激を想像する人もいると思います。そのため、日本酒に慣れている人向けのお酒なのかなと思うかもしれません。「いち」はむしろ普段日本酒を飲まない人にお勧めの日本酒です。

蔵元がお勧めしているロックで飲むと、キレや旨味は残したまま、口当たりがとてもまろやかになり飲みやすくなります。氷が融けてアルコール度数や日本酒が薄くなっても、味が崩れずに、逆に透明感が増すのでとても飲みやすいんです。

また、「いち」は甘さや癖がなくすっきりしているので、飲んだ瞬間、爽やかな風を感じる夏にピッタリのお酒です。さすが「風の蔵笹の川酒造」が手掛ける日本酒ですね。

◆「いち」を味わえる飲食店が増加中

最近は酒販店だけでなく飲食店での取り扱いや販売数も伸びていて、飲食店や居酒屋でも「いち」を楽しむことができます。飲食店では「いち」がどのように扱われているのでしょうか？

私たちが向かったのは郡山市内にある人気中華料理店「華琳」。こちらの飲食店はリニューアルオープンをしてから「いち」の取り扱いを開始しました。ついつい飲みすぎてしまうという「いち」の特徴を考慮し、氷を入れたグラスにたっぷりと注いで「いち」を提供しています。

（撮影：中華料理店「華琳」／郡山市）

お店のお勧めしている「いち」との組み合わせメニューは、調味料から手作りしている「棒棒鶏」。「いち」の癖がなくすっきりとした味わいが料理のうま味を受け止めるので、濃厚な料理との相性が抜群なんです。味の濃い料理を食べた後に「いち」を一口飲むだけで、口の中がすっきりとし、次に食べる料理の味を引き立て、より楽しむことができるようになります。

（イメージ）

料理の邪魔をせず、引き立てる。しかし、その一方で味のしっかりした料理にも負けない存在感がある。この“名脇役”として料理を引き立てることができることが、飲食店で「いち」が選ばれる理由だといいます。

猛暑が続く今年の夏。暑い日こそ、自宅や飲食店で食べる料理のお供に、名脇役としてロックでキンキンに冷えた「いち」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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◆日本酒初心者の方におすすめに

◆「いち」を味わえる飲食店が増加中